理事長挨拶
思い起こせば昭和45年、ちょうど25才頃だったかと思いますが、ある農家の裏庭にありました立派な蔵、その内部に作られていた座敷牢に障がい者が兄弟で閉じ込められ、不自由な生活を送っている様を見て大変驚きました。以後その光景が、脳裏から離れることはありませんでした。これがきっかけとなり、私は障がい者問題に取り組むこととなりました。
以来40年、障がい者施策は措置制度から平成15年4月に支援費制度、平成18年4月に障害者自立支援法、そして平成25年4月には障害者総合支援法へ変わりました。平成28年4月には障害者差別解消法も施行され、法整備が一層進みました。
この法律により、障がい者の権利を守るため、合理定な配慮が様々なところで求められることになり、障がい者に対する権利擁護への更なる関心の深まりが期待できるものです。
しかし、法を運用するのは人です。法の整備による支援策の拡充ももちろん重要ですが、どのような制度ができようとも、それだけでは完全と呼べるものにはなりえないでしょう。私たち施設関係者が先頭をきって、障がい者の権利擁護のために邁進していくことが求められていると強く感じています。
今後とも、三和会では長年の経験を肥やしに、利用する障がいをお持ちの皆さんが「生まれてきて良かった」といえる事業運営を目指していきたいものです。
社会福祉法人 三和会
理事長 藤澤敏孝